イレッサ トピックス
 2004年、医師からの勧めで肺ガン治療薬としてイレッサを服用するということを家族に伝えたときに、翌日長女が猛反対をした。インターネットでイレッサを検索して記事をいくつか読んだようだ。副作用による死亡記事、訴訟問題、薬害オンブスマンの反対声明、某大新聞の反対キャンペーン等々、記事を読む限りではイレッサは「夢の新薬」どころか「魔の毒薬」という印象しか与えないからだった。インターネットではアンチーイレッサの大合唱ばかりが目立つが、疑問に感じるのは効果のあった患者さんも多数いるはずなのに、そのような記事が極端に少ないことだ。
 自分はその病状から化学療法しか選択肢がなく、一般の抗がん剤の治癒率は10%以下と言われている。西洋医学以外でも、数々の代替医療や健康食品(飲料)のことは承知しているが、補助手段としては考えても現段階でそれのみに命をかける勇気はない。総合的に考えて、副作用の危険を承知の上で
イレッサ服用に賭けざるをえないというのが自分なりの結論であった。そして現在イレッサ治療を継続しており、イレッサが唯一の頼みの綱である。
 自分と同じ肺腺ガンで同じ悩みを持つ患者さんも多数いるだろうから、自分の体験談が参考になれば幸いである。
 自分は医師ではないし、専門家でもないが、治療に際して自分なりに学習した
イレッサに対する知識を要約した。

■これからイレッサを服用される方にはこの本が参考になります
肺がん治療症例集―分子標的治療薬ゲフィチニブ
【田村友秀著,医療ジャーナル社】 2,415円(税込)
(詳細は下線部をクリックしてください)

『劇的にイレッサが効いた』『イレッサの副作用で亡くなってしまった』という2つの具体的な結果について、実際の患者のレントゲン写真や症状の変化などが詳細に記述されているので、「イレッサに賭けてみよう」と決断する際には参考になります。
 イレッサとは
名 称 肺ガン治療薬イレッサ錠250R(一般名ゲフィチニブ)
販売元 アストラゼネカ株式会社
販 売  2002年1月28日厚生労働省に承認申請、同年7月8日に認可。8月30日から発売開始。
薬 効 イレッサの薬効成分は一般名ゲフィチニブといい、腫瘍細胞の表面に過剰発現した上皮成長因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖能を低下させる。
 イレッサの歴史 ・ 関連情報
2002年  
 1月25日
アストラゼネカ株式会社が世界に先駆けてイレッサの承認申請を厚生労働省に提出。
7月 5日 イレッサが医薬品として国の承認を受ける。
8月21日 中央社会保険医療協イレッサの保険薬価収催を承認。一錠の価格 7,216円と決まる。
8月30日 保険適応薬となる。
10月15日
間質性肺炎で死亡13人と新聞記事があったことから、厚生労働省がイレッサについての緊急安全情報を発表。
製薬会社のアストラゼネカ社はイレッサの間質性肺炎についの「緊急安全情報」を出して各医療機関に注意を促した。
10月26日 新聞各紙にイレッサ関連の副作用による死亡記事が出る。
・肺ガン新薬「ゲフィチニブ(イレッサ)、犠牲者39人に、販売元が過小報告【毎日新聞】
・肺ガン新薬「ゲフィチニブ」で新たに死者26人。【読売新聞・】
・肺ガン薬投与、死者39人に=7月承認の「ゲフィチニブ」-企業が過小報告。【時事通信】
12月19日 アストラゼネカ社は厚生労働省に対して、海外の治験事例も含め、1998年4月から2001年11月までの間のイレッサによる重篤な副作用事例が82例(内・死亡27人)あることを報告していた。厚生労働省は、「症例を検討し、肺ガンという病気の重さを考えると承認を揺るがすものではないと判断した」とのコメントをしている。【東京新聞】
2003年 
2月7日
副作用死、173人に。
輸入販売元のアストラゼネカ社は6日、1月末で間質性肺炎などの肺障害による死者は173人に上ったと発表。厚生労働省が緊急対策を実施した2002年12月26日以降の死者は2人にとどまっており、対策の効果が現れた。イレッサは2002年7月の承認から2003年1月末の時点で使用した患者は23500人で、この内473人が間質性の肺炎を発症して173人が死亡。しかし入院措置など緊急対策以降では死者は2人と激減した。 【静岡新聞】
5月2日 副作用で死亡した患者の9割が医師への警告が出された10月15日前にイレッサを投与・服用していた。...安全情報の遅れが被害を拡大させた。【朝日新聞】 
5月2日 厚生労働省が「イレッサの副作用被害者は616例。推定使用数2万8千人中246人が死亡(副作用の発症率は2.2%)」と発表。
5月5日 アメリカFDA(日本の厚生労働省に当る)がイレッサの販売を承認。
5月17日 イレッサの投与で一ヵ月後に死亡した、岐阜県大垣市の遺族が「投与を事前に知らせずに説明もなかった」との理由で、市(病院が市立であった)を相手に提訴。
7月18日 WJTOGに設置されている「ゲフィチニブ急性肺障害・間質性肺炎調査委員会」が中間報告書を発表。
急性肺傷害・間質性肺炎の発症頻度は3〜4%、死亡率1〜2%だと推定。同時に「男性・喫煙者・突発性間質性肺炎・肺線維症の合併」が大きな危険因子であることが分かった。中でも「喫煙」が強い発症危険因子であることが判明した。
2004年  
3月24日
厚生労働省は肺ガン治療薬イレッサによる間質性肺炎などで死亡した患者数が延べ444人に上ることを、参院厚生労働委員会が明らかにした。【京都新聞】
4月21日 韓国のアストラゼネカ社がイレッサを正式に発売すると発表。 食品医薬品安全庁がイレッサの販売を許可。これでイレッサを承認している国は、日本・米国・豪州・シンガポール・アルゼンチンに次いで、韓国が6番目となる。【韓国・中央日報】
7月16日 「イレッサ薬害被害者の会」の京都の元会社役員(当時69才男性)の遺族が、製薬会社と国に対して3,300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に訴状を提出した。
  
 訴状によると、男性は肺ガンのため2002年4月から4ヶ月間京都府内の病院に入院、他の抗癌剤と放射線治療で効果をあげ自宅に戻った。9月初めに同府内の別の病院で医師に勧められてイレッサを1週間服用したところ、まもなく呼吸困難に陥って約1カ月後に副作用の間質性肺炎で亡くなった。
8月26日 新聞各紙が大きな扱いで報道。
2003年6月から2004年3月までの国内615施設で投与された3,322人の患者で調査。イレッサ・高い死亡率、国内患者の5.8%に肺障害を起こす。2.3%が死亡。喫煙率のある患者の発症率は倍増。
アストラゼネカ社の調査で判明、米の20倍の発症率。(米国での発症率は0.3%)。今年3月までに重い副作用が1083人あり、内444人が死亡。 
11月25日 「イレッサ薬害被害者の会」の代表と2002年の死亡した女性(当時31才)の遺族が、アストラゼネカ社と国に対して3,850万円の損害賠償を求めて東京地裁に訴状を提出。
 訴状によると、女性は2002年8月に服用を始め、約2カ月後に死亡した。遺族は「副作用があるとの説明はなかった」としている。
12月17日 アメリカFDA(日本の厚生労働省に当る)声明発表。
「ガンの縮小効果で承認をしたが、イレッサ投与による生存期間の延長が認められないならしかるべき措置をとる」
2005年  
1月4日
アストラゼネカ社 欧州での「イレッサ」承認申請を取り下げると発表。
 1月8日 厚生労働省は2004年12月27日、イレッサのISRL試験の結果を検討する検討会の開催を決めた。2005年1月20日に開かれる。
1月20日 厚生労働省は2005年1月20日、専門家を集めてイレッサの有効性の再検討会(座長:松本和則国際医療福祉大教授)を開いた。20日の初会合では「現時点では使用を制限する必要はない」との見解をまとめた。
3月2日 西日本で2例目となる三重県の患者の遺族が国と製薬会社を相手に損害賠償を求める訴えを、大阪地裁に起こした。国を相手としたイレッサの副作用被害訴訟は3件目となる。
3月7 日 厚生労働省は肺癌治療薬「イレッサ」はがん増殖にかかわる遺伝子のタイプによっては延命効果があることを、愛知県がんセンターのグループが患者の追跡調査で明らかにした。同薬は製造元企業が海外の患者では延命効果が認められないと発表しているが、研究グループは日本人患者の中には有効な人が少なくないとみているとのこと。このため、厚生労働省は検討会をたちあげイレッサの有効性の再評価を進めている。【日本経済新聞】
3月10日 厚生労働省は日本肺癌学会が「イレッサ」についてまとめたガイドライン順守などを添付書類に盛り込むことで、当面使用継続する見通しとなった。厚生労働省は「ゲフィチニブ検討会」を10日に開催、17,24日にも開いて具体的な対応策を決める。【日本経済新聞朝刊】
10日の検討会でアストラゼネカ社が海外28カ国での臨床試験(1,692人、昨年3月から15ヶ月)の結果を報告した。患者全体では延命効果は認められなかった。但し東洋人(342人、日本人は含まない)に限れば生存期間が長くなった。また、喫煙の有無では非喫煙者の場合、偽薬を投与した患者の半分が4.5ヶ月でなくなったのに対し、イレッサ投与の患者はは調査終了時も約6割が生存しており明らかに延命効果があった。喫煙者は偽薬投与、イレッサ投与に延命効果の差がなかった。【日本経済新聞夕刊】
3月17日
肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の投与指針について、日本肺癌(がん)学会は、「女性、非喫煙者、日本人(東洋人)などへの使用を推奨する」とするイレッサの新たな使用指針をまとめ、17日、厚生労働省の専門家検討会に提出した。【読売新聞・毎日新聞他】
3月18日 厚生労働省は17日、肺がん治療薬「イレッサ」の有用性を再評価する検討会を開き、日本肺癌学会が改定したイレッサの使用ガイドラインについて「妥当」との意見で大筋一致した。24日の次回会合でガイドラインの「順守」を添付文書に盛り込むなど重い副作用の防止を医療現場に徹底してもらうための対策をまとめる。【日本経済新聞】
3月25日 肺がん治療薬「イレッサ」の有用性を再評価する厚生労働省の検討会は24日、日本肺癌学会の使用ガイドラインを添付文書などに周知することを求め意見をまとめた。海外の臨床試験で「延命効果なし」とされ、欧州では承認申請取り下げの事態になった「夢の新薬」は、日本では当面、使用が続くことが確定した。【日本経済新聞】
4月29日 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用による死者607人に
肺がん治療薬「イレッサ」で間質性肺炎や急性肺障害の副作用があったとして国に報告された患者数は1,555人、うち死者数は607人に上っていることが、28日の参院厚生労働委員会で明らかになった。副作用報告数が公表されたのは、同省が1月に開いた検討会以来で、死者数は19人増えた。厚労省医薬食品局の阿曽沼慎司局長が、小池晃委員(共産)に対する答弁で「4月22日までに報告された粗い集計」として明らかにした。小池委員はこのほか、販売元のアストラゼネカ社が先月、推定使用患者数を8万6800人から4万2000人へ大幅修正したことについて「厚労省も企業の言いなりに数字を報告した」と指摘したが、阿曽沼局長は「企業がもう少しきちんとすべきだとは思っているが、厚労省に責任問題が発生するとは思っていない」と答えた。また、イレッサの承認審査をした医薬品医療機器審査センター(当時)の審査部長だった人物が、現在は厚労省でイレッサの安全対策を行う部署の責任者となっている点について、阿曽沼局長は「安全対策に支障が出るということはない」と答えた。【毎日新聞】
5月6日 イレッサ無効を血液判定65%を予測、東大医科研
副作用が問題となっている肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)が効かない患者を、血液検査で約65%の精度で予測できる診断法を、東京大医科学研究所の中村祐輔教授(遺伝医学)らが6日までに開発した。肺からがん細胞を採取し遺伝子を分析する従来法は、精度が90%以上だが、麻酔が必要で肺を傷つける危険性がある。中村教授は、今回の診断法を「簡便で安全な診断法は世界初。無駄な投薬や副作用の減少、薬剤費の削減につなげられる」としている。中村教授らは、イレッサが効きにくい肺がん細胞では、がんを増殖させる2種類のタンパク質が多く分泌されていることを1年半前に見つけた。イレッサが効かなかった患者23人の血液を調べると、15人(約65%)でいずれかのタンパク質の量が一定レベル以上に多かった。一方、両タンパク質ともにレベル以下だった患者23人では、15人がイレッサ投与でがんが小さくなったか、悪化しなかった。(共同通信)
6月18日 米政府、肺がん治療薬「イレッサ」新規投与に警告
 肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)について、米食品医薬品局(FDA)は17日、投与は、すでに服用して効果のあった患者に限り、服用経験のない患者には与えるべきでないとする警告を出した。メーカーのアストラゼネカ社(本社・英国)はこれに合わせ、米国での添付文書を改訂する。ア社による大規模な国際臨床試験の結果、効くとされる非小細胞肺がんの患者に投与しても延命効果が見られないというデータが昨年12月に出たのを受けた措置。イレッサについて日本では、厚生労働省の検討会が3月、東洋人の非喫煙者には延命効果が示唆されるとして、当面の使用継続を決めている。【読売新聞】
6月24日 イレッサ輸入販売元を告発 副作用死の3患者遺族ら
 肺がん用の抗がん剤「イレッサ」をめぐり、副作用で死亡したとされる患者3人の遺族と「全国薬害被害者団体連絡協議会」は24日、輸入 販売元のアストラゼネカ社(大阪市)が承認前から事実と違う内容の誇大広告を繰り返していたとして、薬事法違反容疑の刑事告発状を東京、大阪の両地検に提出した。告発状によると、同社はイレッサが2002年7月に承認される前の2001年10月ごろから、自社のホームページ や、医学雑誌の自社提供ページなどに報道資料や専門家の対談を掲載。「副作用が比較的少ない」などと記述し、「イレッサが夢の薬であると誤解させた」と主張している。 遺族らは「学術的な対談を装っているが実態は広告。こうした手法を野放しにしてはいけない」と訴えている。次女を亡くした近沢昭雄さん(61)は「一連の『広告』を見てすごい薬が出たという認識だった。だまされた」と話している。イレッサをめぐっては、間質性肺炎などの副作用で約600人が死亡しており、患者4人の遺族が国と同社を相手取って損害賠償を求める訴訟 を起こしている。アストラゼネカ社は告発について「刑事責任はないものと確信しております」とする談話を出した。 【asahi.com】
7月29日 抗がん剤「イレッサ」副作用巡り、患者が賠償求め初提訴
 肺がん用抗がん剤「イレッサ」の副作用で死の恐怖に直面したとして、三重県四日市市の会社員清水英喜さん(49)が29日、国と輸入販 売元のアストラゼネカ社(大阪市)を相手取り、慰謝料など550万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。弁護団によると、遺族の
提訴は大阪、東京両地裁に計4例あるが、患者自身の提訴は初めて。 訴状によると、清水さんは2001年9月に肺がんと診断され、2002年8月に入院して放射線治療を受けた結果、約7センチのがん細胞が約4センチに縮小。同9月に退院して在宅治療に切り替える際、「がん細胞だけを狙い、副作用が少ない」と医師から聞き、イレッサの服用を始めた。 しかし10月下旬から激しいせきと高熱が続き、医師は服用中 止を指示。副作用とみられる「間質性肺炎」と診断された。投薬治療で一命を取り留めたが、呼吸ができない苦しさに「頼むから殺してくれ」と妻に懇願したという。 清水さんは提訴後、大阪市内で記者会見を開き、「生き証人として遺族の皆さんに真実を伝える役目と思い、提訴に踏み切った」と話した。 【asahi.com】
以降の記事は「情報スクラップ」の方へ掲載します。
 患者としてのイレッサに対する見解

がんを告知されたときの心境
 「これは肺癌です」・・・CTのフィルムを見ながら、ガンを告知されたときのことは今でも忘れることはできない。突然頭から冷や水をかけられたように背筋を寒気が走り、頭の中が真っ白になる。この気持ちは経験した者でなくては分からないのではないだろうか?その後もしばらくは絶望感と恐怖心が頭を離れない。医師や医療関係者ならともかく、健康な普通の人の場合ならガンの程度が重いか、軽いかは関係なく、「ガン=死」と思っているのではないだろうか?自分の場合は外科手術から1年後に再発という経過を辿り、抗がん剤による化学療法しか選択肢はなくなってしまった。

抗がん剤の副作用
 最初のガン告知のときから比較すると、再発の時にはいろいろな書物やインターネット等々でかなりの知識が頭に入っていた。先生から肺がんに対する抗がん剤の効きが悪いという説明があったときも、このことは既に知っていた。自分の病状では奏効率は10%以下である。感覚的には効果がないというのに等しい。加えて抗がん剤を使用すると例外なく襲う副作用のことが恐怖心をさらに強める。効果を高めることに比例して、強くなる吐き気や脱毛は恐怖心の中の最たるものだ。
 この忌まわしい副作用を避けるために代替治療に走る人も数多くいるのも現実だ。
 2002年にイレッサが登場したときには、従来の抗ガン剤にはない効能に飛びつきたいガン患者や医師の気持は手に取るほど良く分かる。ガンは時間との戦いなのである。時間が経てば、必ず死が訪れる。
 だから理想的な薬になるまで待てない人も多数いる。「飲み薬」で自宅で療養できることや、吐き気や脱毛などの今までの抗がん剤に付き物の副作用がないとなれば尚更である。


イレッサの効果と副作用による死亡率
 これほどその登場が注目をされ、その後のトラブルでたたかれている薬も珍しいのではないだろうか?
 最新のデータでは2004年の12月末までに推定86,800人(2005年3月24日に42,000人に修正)もの人が使用し、580人が副作用と見られる症状で亡くなっている。特に発売当初の約4ヶ月間は呼吸器科医や腫瘍専門医以外の非癌専門医が民間医療と併用した結果、副作用で亡くなる人を増やしたのは、副作用に対する対応が悪かった反面、それだけ医療現場からも、患者からも待ち望まれていた薬であったということがいえるのだろう。

 アメリカではFDAから「ガンの縮小効果は認められるが、延命効果はないという」という調査結果が発表になった。日本では欧米とは異なり、患者によっては効果がありそうだということが分かってきた。今まで副作用の肺障害についてのデータは盛んに報道されるが
どれだけ効果があったかというデータの発表がない。効果のデータ発表が待たれる。
 
通常の抗がん剤でも副作用で死亡することはある(0.6〜1%位)。では患者の立場からみて、イレッサは副作用の死亡率が2.3%と通常の抗がん剤の3.8倍も高いから使いたくないかというと決してそんな気持にはならない。死亡率が2.3%なら、助かる人は97.7%もいるという風に考える。何もしなければ半年とか1年でガンに殺されてしまうのである。もちろん副作用は少ない方が良いに決まっているが、危険を覚悟してでも使わなければならないほど追い込まれているということである。それだけ新薬に期待し、苦しまないで治療が受けられる薬の出現を待ち望んでいるのである。
 自分の例で言うと、2004年8月からイレッサ服用を開始した。その際、医師からイレッサという薬の特徴、副作用の危険、死亡者の率等々について詳細な説明があり、かつ3週間の入院をして副作用有無の監視をした上で服用を始めた。退院後も最初は1週間に1度、現在は2週間に1度通院して副作用のチェックを行っている。その結果、服用を始めて15日目に撮影したCT画像で明らかながん画像の縮小が見られた。ただ、その後副作用のひとつである肝臓機能の数値の上昇があったため、途中から1日おきの服用になっている。従って、効果は最初ほどではなく、足踏み状態になっている。

 このままイッレッサを継続服用することで、これからどうなるかは不明だが、現時点でイレッサを選んだことを後悔していないし、この薬の出現に感謝をしているというのが本心である。もし、イレッサがなければ今頃は治癒率10%以下という抗がん剤の副作用に苦しんでいるだろう、場合によっては既に命を落としているかもしれない。
 病院での患者仲間の中にもイレッサで効果をあげている話を度々聞くし、ホームページにはかなり進行度の高い患者さんの闘病記の中にイレッサで効果をあげた例がいくつか見られる。
 今、イレッサの承認取り消しを求める動きがある。
承認取り消しとなると私をはじめ、今使用中の患者は翌日から困ってしまうことになる。代わる抗がん剤がないから、死ねということだ。仮に入手が可能でも、健康保険の承認が取り消されれば1錠7千円以上の薬を毎日服用することは経済的に立ち行かなくなる。「ガン告知」で苦しめられ、「イレッサ承認取り消し」でまた苦しめられるのはもうごめんだ。自分が63歳の手習いでこのHPを立ち上げた動機のひとつに「イレッサ承認取り消しというようなことにならないための一助になれば」という危機感があったことを付け加えたい。

抗がん剤の選択肢
 イレッサも治療現場から上がるデータからいろいろなことが分かってきているようである。欧米人には効きにくいがアジア人(もちろん日本人も含む)には効きやすい。ガンの中では肺腺ガンに効く。喫煙歴のない人に効きやすい。ガン細胞の遺伝子変異がある人等々・・・。幸いなことに、自分の場合はこの4つとも満たしていたことから、先生がイレッサ服用を薦めてくれた。
 世界で使われているガンの標準治療薬は約180種類ある中で、日本で承認されているのは僅かにその1割程度だそうである。限られた抗がん剤で治療を受けて、効き目がないというときに他に選ぶべき薬がないということは死を意味しており、患者にとってこんな悲惨なことはない。1年間に肺ガンで命を落とす人は57,000人だという。イレッサも副作用への対策が徹底されれば恩恵を受けて命を永らえる患者も数多くいることは間違いないだろう。
 患者の立場から感じることは現状の抗がん剤の選択肢がいかにも少なすぎる。これからますます増加する肺ガン患者が安心して治療できるようにするには抗がん剤の承認はさらに積極的に増やしていくことを望みたい。そのためにはイレッサのときのような副作用による犠牲者を最小限にするために製薬会社の情報開示と誠意ある対応、及び早めに安全対策を図ることは言うまでもない。 


タバコは毒薬
 イレッサを服用するのに当って医師から喫煙中かどうかを聞かれた。喫煙をしている場合はイレッサ治療を適用しないという。なぜなら、イレッサの肺ガンへの効果が望めないばかりか、同時に重篤な肺障害を起こす確率が喫煙しない人の倍になるからだという。
 15年ほど前にタバコをやめたことが、今命拾いをすることになろうとは当時は想像もしていなかった。今更ながらではあるが、タバコは肺ガンを
作り出すだけでなく、肺ガンを増殖させ、さらに治療さえできなくする完璧な毒薬だということである。今、喫煙している人はすぐやめ、周囲に吸っている人がいたら一刻も早くやめることを薦めることが親切である。麻薬に順ずる法規制も検討すべきではないかとさえ思う。



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