免疫のしくみ
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●免疫をになう細胞の種類
人間は生まれながらにして病原体や毒物などから体を守る防御システムを持っている。これは「免疫」と呼ばれている。
免疫システムに参加している細胞にはさまざまな種類がある。それらはまとめて「免疫細胞」とか「免疫担当細胞」と呼ばれている。もっともよく知られている免疫細胞は「白血球」だろう。白血球は体中にはりめぐらされたリンパ管や血管の内部を駆けめぐり、さらにはその外に滲み出して体中を自由に循環している。こうして白血球は体中に侵入者が潜んでいないかどうか常にパトロールしている。
●白血球の種類
白血球は「リンパ球」「単球」「好塩基球」などの総称、なかでもリンパ球は免疫において重要な役割を果たしている。
白血球の約20%を占めるリンパ球は「B細胞」「T細胞」「ナル細胞」の3種類に分けられる。
第1のB細胞は侵入者を見分ける「抗体」というたんぱく質を大量に生産する。第2のT細胞には侵入者を直接攻撃する「キラーT細胞」、他の免疫細胞が働くようにうながす「ヘルパーT細胞」などのいくつかの種類がある。第3のナル細胞は「ナチュラルキラー細胞」などに変化して侵入者を攻撃する。ナチュラルキラー細胞はいわば”オールマイティー”の殺し屋で、細菌やウィルスだけでなく、ガン細胞をも見分けて攻撃すると見られている。
こうした免疫細胞は、体内に侵入者が入るとそれを感知して、互いに連絡し合い他の免疫細胞にいろいろな物質を送り届けたり、情報ネットワークを構築してひとつの免疫システムとして統制の取れた働きをする。
●病原体という「鍵」に合う「鍵穴」
免疫細胞が生産する物質は2種類あり、ひとつは「抗体」、もうひとつは「サイトカイン(生物活性物質)」。
第一の抗体はリンパ球の生産物で、体に侵入した病原体や毒物を見分けるという重要な働きをする。リンパ球は体外から体内への侵入者をとらえると、その侵入者の表面にある物質(抗原)の特徴をつかみ、それを見分けることのできる抗体を作り出す。そして次に同じ侵入者が体内に入ってきたとき、リンパ球は抗体を大量に生産する。そしてこれらの抗体が侵入者の表面にある抗原を見つけて攻撃しはじめる。抗体はペプチドというたんぱく質の部品がいくつか組み合わさってできている。どのユニットも抗原の形にぴったり合うようにできた部分を2つずつもっており、つまり抗原を「鍵」とすれば、抗体は「鍵穴」。そのために抗体は抗原だけにくっつくことができる。
免疫細胞が生産する第2のたんぱく質である「サイトカイン」は免疫細胞同士の連絡役を果たす。ひとつの免疫細胞が分泌したシトカインは、他の免疫細胞に送り届けられると、その細胞が活発に働くように促したり、別の種類の細胞に変化するように指示したりする。サイトカインは侵入者とみなした物質を自分自身で攻撃することもある。サイトカインには、「インターロイキン(IL)」「インターフェロン(INF)」それに「腫瘍壊死因子(TNF)」などの種類がある。
1990年代になって免疫がガンに対抗するしくみが分子レベルでいっきに明らかになった。たとえばガンだけがもつ抗原(ガン特異抗原)が見つかった。また、その抗原を見つけて攻撃する「細胞障害性Tリンパ球(CTL)」がどのように活動するかも明らかになった。さらに、「抗原提示細胞(APC)」という種類の免疫細胞の働きもよりくわしく分かってきた。これはガン細胞の抗原をとらえ、自分自身の細胞の表面にそれを出しておくことにより、細胞を殺す能力をもつ別の免疫細胞に「この抗原を探せ」と指示する細胞。
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